To the moon and back.

関西在住30代OL。日々のつれづれをぼちぼち綴ってます。内容は、お買い物ログ・婚活のやきもき・仕事のあれこれ・読書記録・雑記(ただの日記)多め。

圧倒的多幸感 ミュージカル『ヘアスプレー』観劇

やっと、待ちに待った、何なら「この1年間で楽しみにしていたことベスト10」には入るのではと思う出来事…ブロードウェイミュージカル『ヘアスプレー』を観劇してきた。かつて一緒に演劇に携わっていた心の友もお誘いすることができ、梅田芸術劇場メインホールにて二人で楽しく鑑賞。会場の写真は自分たちが写っているものしかないのでパンフ写真(笑)。

 

何より渡辺直美さんのスター性。この人がいなくちゃ始まらないよね、と出演者のSNSやパンフにも書いてあったけど、もう存在感が異彩を放っていた。そして歌も踊りもキレッキレ。第1幕の最初は声量があとちょっとあったらいいな、と実は思ったのだが、後半になるにつれて杞憂だということが分かった。芯のある強さ、まっすぐさ、素直さを持ったキュートな高校生だった。パンフに「34歳が出ないように気を付けます」と書いてあって笑った。先日35歳になられた渡辺直美さん。本当に素敵だった。ますますファンになっちゃいます。トレイシーはこの方しかいないよ。

というか書き忘れていたが、今回なんと2列目席だったのですよ。1列目はコロナ対策のためか空席だったので実質最前列。わ…私はどんだけ幸運を使ってしまったんだ…と感じたが、お渡しした友達の席の方が多分全体は見やすかったね(笑)。2列目だと完全に見上げる形で少々首は痛かった。だが…キャストさんはがめちゃくちゃ近くて。何なら小声でささやいているのも聴こえちゃうくらいだし、くるくる変わる表情を観ているのが楽しかったなあ。

舞台もとってもポップで楽しくてかわいくて。衣装もキュート。60年代が舞台だけど、これからの夢、困難にも打ち勝って未来をつくっていくんだという希望が感じられる舞台セットだったなあ。トレイシーのリボンを模した舞台でかわいかったな…。楽しさ弾けるミュージカル。

そして生オケの良さ。「今回も生オケ最高ね♪」なんて見ていたら、途中からまさかの舞台セットとして(番組の演奏バンドとして)フルオープンになったのもびっくり!今まで何回も生オケを観ているけれど、黒子の存在って感じでカーテンコールの時に拍手して皆さんに認知される感じだったから…粋なアイデアだなと思った。

脇を固めていたキャストさんもめちゃくちゃ良かった。今回のヘアスプレーは全員はまり役と言われているのも納得。

・メイベル役のエリアンナさん。私は初めて舞台でお見かけしたのだが、圧倒的声量と包容力。一気に好きになっちゃった。私の中で歌手のMISIAさんとイメージが被る。

・リンク役の三浦宏則さん。なんせ最前列で見て「うわあ…イケメン…」というのが第一印象(普段そういうことほとんど思わないので新鮮だったw)。ダンスも上手いしトレイシーに夢中でどんどんアホになっていくところも好感が持てる。

・シーウィード役の平間壮一さん。ダンスのキレの良さであっという間に場をさらっていった。そしてペニーとのラブラブっぷり。こっちが見ていて恥ずかしいくらいw

・ペニー役の清水くるみさん。かわいい!!!かわいいけど賢くなりすぎないように苦労したとパンフに書いてあった。最後の変身・登場シーン、他を観ていて気付かなくて見逃したのが心残りだった…もう少し後ろの席の方が、全体の変化は見やすかったかも。

・アンバー役の田村芽実さん。かわいい!!!!!もう、見ていてこちらが抱きしめたくなるかわいさ…。悪役というか嫌な役なのに、愛くるしさがあっていい意味で毒気がなかった。元アンジュルムのメンバーさんなんだね…。動きも見ていて切れ良くてつい目で追ってしまった。最後の大団円シーン、うなだれてる姿がおもろすぎた。

・コーニ―役の上口耕平さん。人と会話するシーンが無くて寂しかったとパンフに書いてあったが、この人がいるから番組っぽさがちゃんと出ててよかったなあ。

・ウィルバー役の石川禅さん。いいお父さん役だった…。すごくキャリアのある方なんだね。こういうお父さん、どこかにいそう…でも歌と動きはキレッキレ。

・ヴェルマ役の瀬奈じゅんさん。こんな悪役はじめて!とパンフに書いてあったが、めちゃくちゃ楽しそうに演じられていて好印象。オーラがあって迫力があり良かった!ミス・ボルティモア・蟹~!!!(…ってもうそれはそれは楽しそうだった)

エドナ役の山口祐一郎さん。エドナ役って実はすごく難しい役回りな気がするのだが、後半になるにつれてどんどん癒し系になっていく…(私の中で)。

 

ヘアスプレー、ハッピーオーラ全開の中に大きなテーマ、たとえば人種差別やルッキズムの問題を取り入れて真正面から向かい合っている。60年代が舞台だが、今でも立派に通じるというか(よくないのだが…)、今でこそちゃんとみんなが考えて立ち止まっていってほしいテーマだ。トレイシーがメイベルから何のためにミス・ボルティモアになるのか?と問われた時、「みんなで踊れないなんてばかみたいだと思って」という言葉がこの舞台を通して伝えたいことだろう。そのあとにメイベルが「私たちは今までもずっとそうしてきた。あきらめても、また何度でも戦いの列に加わる」と言い切ったのがカッコよくて。

パンフにもあったように、今はデモといってもツイッターデモやSNS署名を行うことが主流になっていて、それは今の時代の形ではあるけれど、肉弾戦という形で真正面から体当たりで向かっていくということ、それがきちんとクライマックスで消化されていくのがこのヘアスプレーという作品の持つすごさだろう。

 

正直、私の中で期待値が高すぎたので、「あ、もう終わっちゃった…?」と思ってしまったところもある。何というか予想は超えてこなかったというか…。クライマックスもYou Can't Stop the Beatを3回くらいやったらいいのになと思ったwでも最後のカーテンコールでキャストさんが本当に楽しそうに素を見せながら笑い合っておられるのを見て、いい座組を観たなあと思った。最後に直美さんが「ありがとうございました!」と何回も言っておられたのもぐっと来た。直美ちゃん、ファンとして、ずっとついていくからね!コロナで2020年上演できなかった分、千秋楽まで思いっきり駆け抜けてほしいな。