To the moon and back.

関西在住30代OL。日々のつれづれをぼちぼち綴ってます。内容は、お買い物ログ・婚活のやきもき・仕事のあれこれ・読書記録・雑記(ただの日記)多め。

オリジナルのダーツの旅

昨日朝日新聞に、郡司芽久さんというキリン研究者の方のコラムが掲載されており、興味深く読んだ。

郡司さんいわく、博物館には、”役に立つ”とは正反対の「三つの無」という理念が根付いているという。『無目的・無制限・無計画』だ。今、役に立つ研究ばかりではなくて、百年後の人々に「この記録が残されていてよかった」と思ってもらえるように、あらゆるものを無尽蔵に集めるという。

 

このコラムを読んで、とても素敵な理念だと思った。特に今の世の中は、至急使えるとか役に立つというものが推奨されているような印象だ。久々に、大学にいた時の空気感を思い出した。

 

では、私にとって『無目的・無制限・無計画』にできることは何だろう?研究者の方の仕事と同列に並べることはできないが、一般市民レベルに落としてみた時、できることはあるのかなあと思う。

 

そこで思いついたのが「ダーツの旅」。日本テレビの人気番組『笑ってコラえて!』で観た人も多いだろう。急にカジュアルな話に変わって恐縮だが、私が今までしたことがなく、無目的・無制限・無計画な行為は、当てのない旅かなあと思った。

思い返すと、私は目的をもった一人旅(観光地を目指す、遠方の友人に会いに行く、語学を学ぶなど)はたくさんしてきたし、スーツケースを転がして割とどこまででもいけるたちだ。電車も飛行機もひょいと気軽に乗ってしまうタイプである(ペーパードライバーなので車の運転はできない)。

 

でも、目的地を決めず、ふらふらと旅をしたことはなかった。理由は二つあって、一つは、一人旅は結局寂しく感じてしまうだろうなと思ったから。「〇〇ちゃんと来たらどんな感想を持つかなあ」と行く前から想像してしまうのだ。二つ目は、旅先でスマホをいじってしまい、せっかくの現地を堪能せず、画面を見ている自分が想像できたから。いっそのことデジタルデトックスと称してスマホを家に置いていくか、電源を切ってもいいのだが、結局交通手段を調べるにはスマホを見てしまうような気がした。

 

しかしこの自粛生活を機に、「オリジナルのダーツの旅」への機運が(勝手に)高まっている。無目的に決め、無制限にあちこち行ったり美味しいものを食べたり、無計画に過ごすのだ。誰にも縛られず、豊かな景色をめいいっぱい楽しむことを、心からしてみたいなと感じたのだ。

行くとしたら、①往復の航空券だけ取って、沖縄の離島(小浜島くらい小規模な島がいいな)でぼーっと過ごす ②往復の特急券だけ取って、山奥の温泉街へ行く ③ローカル線に乗って、未踏の都道府県めぐりをする みたいなプランがいいな。

 

ちなみに、今はスマホアプリにも「ダーツの旅」の無料アプリがある。大学のサークル仲間数人と話していた時、一人がアプリで佐賀の港町(本当に名もなき町である)にダーツを当てた。「行ってみたらいいやん」と囃し立てていたら、翌週本当に飛び立ち、その地で撮った記念写真が送られてきて、皆でぶったまげたことを覚えている。弾丸のような行動力。私もそういうのがしたい。

 

たまには、無目的・無制限・無計画なプランで休日を過ごしてみてはいかがだろうか。