先週の土曜日、梅田芸術劇場のシアタードラマシティで、ミュージカル『マリー・キュリー』を観てきました。夫同伴。
ヘアスプレーで清水くるみちゃんを観て、いい役者さんだなーと思ってSNSをフォローしていたら、この公演の告知が。ふむふむ、韓国発で日本初演ミュージカル。夫は化学が専門なのですごく興味ありそう。ということでチケットを買ってお誘いしました。
3月の東京公演最初は入りがあまり良くなかったみたいだけど(韓国ではいろんな賞を総なめといえど、無名の演目だし)、クチコミであれやあれよと言う間に人気が高まり、千秋楽は立見席まで出るほどだったとか。それを聞いてめちゃ嬉しかった…!(笑)
役者で客を呼ぶのが主流の時代に、作品の良さでクチコミが広がるのはなかなかないそうで、プロデューサーの方が泣いていたとくるみちゃんのSNSに書いてあった。
そんな中で、満を辞して鑑賞。
すごくすごく良かった…!何より主演の愛希れいかさん。立居振る舞いが素敵すぎたし、第2幕からの号泣の熱演よ…。素晴らしかった…夫も「あの役者さん元宝塚の人なんだ?!カッコ良かった…」と惚れてました(笑)。
ストーリー展開は、先が読めるからこそどうなるか不安だったのだが、アンヌとピエールとの絡みがすごくすごく良くて。
くるみちゃん演じるアンヌはオリジナルキャラクターなのだけれど、シフターフッドを体現する熱演。第二幕の「あなたは私の星」というマリーとのデュエット、噂に違わず最高でした。これ、今年結婚式してたら絶対に友人にお願いするスピーチのBGMにしているな…w 女性同士のデュエットって、思うとあんまり聞いたことないよね。くぅぅ良かった。
その直後にピエールの死。いやね、クチコミではアンヌとのデュエット最高!とばかり観ていたので、その後のピエールとの件にも泣かされるとは思わなかったね…。あなたは私の星から、終演までずっと泣いてた。そこまで泣く舞台は初めてだった。検死をするという、最大の愛の形…。
ピエールは最初から最後まで良い。こういうのって、「女のくせに」的な場面が入りがちだが(それはアンサンブルの人たちがたくさんやってたけど)、ピエールは一切そういう描写がないんだよね。最初から最後までマリーという人を見ている。「なぜ私が女なのに化学をするのかって?」と初対面でつっけんどんなマリーに、「そこから女、を抜いて欲しいんだが」とまっすぐ呟くピエール、そしてキラキラと目を輝かせるマリー。タングステンの件は笑ったww 最高の夫婦愛であり、化学者というパートナーであった。
アンヌも、「あなたはラジウムじゃない。マリーだよ。マリー・キュリーでいてくれたらそれでいいの」っていうのも(セリフ違うかもだけど)ぐっときたな。マリーその人を見てきた二人の愛情深き人の物語だったな。老後、最後に「マリー、頑張ったね」とみんなに言われるシーンでまた号泣…。
韓国ミュージカルって初めて見たけど、すごーい好みかも。フェミニズムがしっかり反映されていて、クラシカルな感じも好きだ。音楽もすごく素敵だった。生オケも最高よ。
また、科学の功罪についてもしっかり考えさせられる内容だった。ファクションミュージカルって何だ?と最初思ったけど、ファクションだからこそ希望や救いがあるというか…。
これだけ好評だったら再演するだろうな。記念すべき初演を観られて嬉しかった。ノーベル賞を2階も受賞した、とてつもない功績を残した化学者だって、探究心に溢れた一人の心ある人間なんだ。これからは伝記のキュリー夫人、ではなくマリー・キュリーってちゃんと呼ぶね。