To the moon and back.

関西在住30代OL。日々のつれづれをぼちぼち綴ってます。内容は、お買い物ログ・婚活のやきもき・仕事のあれこれ・読書記録・雑記(ただの日記)多め。

一人一殺

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土用の丑の日なので、奮発して鰻弁当を買って帰った。安くなっていてさらにハッピー。鰻を食べるなんて1年でこの日くらいだけど、スタミナをつけると思って。冷蔵していた作り置きの肉じゃがと一緒に食べるというシュールな晩ごはんだったけど、いっか。

 

4月ごろ図書館で読んで書き留めたことが多すぎて、最近ちゃんと買い直した本『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』(上野千鶴子田房永子著)。

 感想も書いてた。↓ 

rosecosmos.hatenablog.com

 この本で印象的な言葉が『一人一殺』。何だか物騒な字面だがそれもそのはず、元はテロリストが使っていた言葉だそうだ。フェミニズムの場面では、妻が家事や子育てに向き合わない夫に対して、「お前は私と子どもにどうやって向き合うんだ」と迫る、命がけの闘いのことを比喩して使っていたと上野さんは述べている。「社会を変える革命には失敗したけど、自分の全生涯をかけて、せめて男一人くらいは変えようよ」という意味で使われていたそうだ。ここの流れが爽快で、悩んでいる人はぜひ読んでほしいところ。

 

初読時に思い出したのが、大学時代の友人のことだった。

就職活動で知り合って仲良くなった友達だったが、就職後しばらくして体調を病み、付き合っていた彼氏と結婚して専業主婦となった。元々身体が強くないことは知っていたし、精神的にも気持ちが落ちている時期は目に見えて分かる子だったので、”何となく”人間関係をフェードアウトしがちなところがあるのも解っていた。それでも何やかんやでずっと今でも繋がりがあるのは、就職したてで荒れがちだった私の連絡にすぐ反応して会ってくれたことなど、私自身が彼女の存在に救われた経験があったからだと思う。

数年たち、彼女は出産をして母となった。以前お祝いもかねて彼女宅へ伺い、あれやこれやと話をしていたのだが、ふと台所に貼ってあるメモが気になった。彼女もそれに気づいたようだった。

「晴ちゃん、これ、私が旦那さんとケンカした時のメモやねん」

「え、そうなん?いや、ちょっと気になってたけど(笑)」

「子育てがめちゃくちゃ大変で、でも旦那さんが全然何もしてくれなくて。それに腹が立ちすぎて、一回話し合いをしようって言って座らせた。で、『あなたの人生の優先順位は何?』って聞いて、書き出してもらったの」

なるほど、メモはその優先順位が書き出されていたのだった。よく見ると、二人の1位は子どものことだけど、以降は微妙に順位が違う。

「このメモを見て、娘の子育てのことにも言及して、話し合った。旦那さんもごめんって言ってたけど。その気持ちを忘れてもらったら困るから、今もこうやって貼ってるねん」

この話を聴いて、私はちょっと驚いた。なぜなら、彼女は相手を逃さず深く問い詰めるタイプではないと思っていたから。私がその一面を知らなかっただけと言われたらそれまでだが、彼女は私の友達と付き合ったことがあり、友達(いわゆる元彼)側から話を聴いたこともある。「しんどくなっちゃうタイプの子」と友達も言っていて、私の読みはあながち間違いでは無いなと思っていた。だから、彼女の様子を見てシンプルに「子を持つと人は変わるのか」と思ったのだった。

今思い返してみると、彼女がやったことはまさに『一人一殺』だったのだな、と改めて思う。別の知り合いには、『一人一殺』が不発に終わった人もいる。もしかしたらそういう人の方が多いのかもしれない。不発に終わっても何度も挫けずに対話しようとするのか、諦めるのか。考えは人によって様々だし、他人のパートナーシップに口を出す筋合いはないので、私は見ているだけだけど。

よく夫婦は「戦友になれるのがベスト」というのをきくけど、何だかわかる気がする。別に、今夫がいる訳では無いけれどさ。家事育児を共にして闘い助け合い、相手の人生に巻き込み、自分の人生にも巻き込まれながら生きていく覚悟ができるっていうのは、やっぱり素敵なことだね。

 

♪本日の一曲♪『シンフォニック・ファンファーレとマーチ』


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カッコいい。こういうクラシック?なファンファーレをレパートリーに入れておくと強そうだなあ。マーチはやっぱり、金管楽器が華やかだなあ。それにしても最初のメロディラインが、何かの曲に似ていると思うのだがちっとも思い出せない…なんだっけ…。