To the moon and back.

関西在住30代OL。日々のつれづれをぼちぼち綴ってます。内容は、お買い物ログ・婚活のやきもき・仕事のあれこれ・読書記録・雑記(ただの日記)多め。

仕事始めと、逃げ恥新春スペシャル感想

早速今日から仕事始め。始業前、普段と同じ職場なのに、何だか新しい気が宿っているような気がして、背筋がぴんと伸びるような心持ちだった。私、この感覚相当好きかもしれない。というか、何だかんだ私は仕事が好きなんだよなあとしみじみと思った。そう思えたのは、とても嬉しい事だった。

 

実は今日、そんな張り切った様子で仕事を始めても、終業時には項垂れている自分がいた。私・上司・職場のトップ、3人になった時だ。トップが開口一番、「本日の晴さんのリーダーシップには感服しました」と冗談めかして褒めてくれた。「この調子で課長次長部長へと昇って下さい」「いやいや(笑)」でも、本当に今の職場で一番頑張ったのは私だと思う。そう言い切れるくらい、燃え尽きた。

そして、「今日の予算どれくらいいっていますか?」私が尋ねた。上司が続けて言う。「私、怖すぎて見ていないわ」。トップがPC画面を開き、低い声で数字を淡々と述べた。過去に見たことのない落ち込み。

そりゃあそうだ。”不要不急の外出を避ける”よう、国民へのお達しが出た中での営業活動。私だって、仕事以外は一切外出の予定はない。私の職業はBtoCであるため、とんでもなく影響を受けていた。勤務中もそれを肌で感じ、心がキリキリした。「仕方ない」3人で言い合ったけれど、でもやり切れない。それに加えて。

どうしても言いたくて、堰を切ったように私は話した。

「こんな状況だっていうのに、うち、やる気のある人間が少なすぎるんじゃないですかね」

人間、というのは言うまでもなく従業員のことだ。こんなにも危機的状況で、未曽有の事態になっているにも関わらず、目の前のお客様に向き合えない人たち。自分たちの勤務態度が、ゆくゆくは勤務先の存続に関わることを、どうして何度伝えても分からないのだろうか?腹が立ちすぎて立ちすぎて、上司と私で該当者にガン飛ばし(←ヤンキー)まくっていたのだけど。

「(該当者にとっては)他人事やからやな」上司が諦めたように言った。「有り得ません。こんなに何度も言って、わざわざ集めて伝えてるのに?今日、正直動いてるの課長(上司)と私だけじゃない?って思いましたけど」「まあ、言ったら動く人もいるけどね」「いや、言う前に動こう⁉って話ですよ?」怒り心頭で喋りまくった私。それを聞いていたトップが、しみじみと言った。

「晴さんみたいに、ポジティブな危機感を持った人がもっと増えないといけないよね」

ポジティブな危機感。確かに、言い得て妙かもしれない。私は続けた。

「だって、こわくないですか?」

トップと上司が、はてな、という顔をした。「こわいって?人が?」

「いや、違います。このまま、先行き不透明になって、会社がどうなるんだろうか、だめにならないだろうかって思って、いつも私こわいんです」そう言うと、上司がなるほどという顔をした。「そうだよね。どうなるんやろかって思うよね」

 

年始、短時間だが親戚と会う機会があり、思った。私以外の親戚は、退職しているか資格職か公務員が多い。「コロナになって、飲食業の人みたい店を閉めたり、失業しなくて良かったね」みたいな話が出てくる。だから正月は好き勝手なことを言われる。「1日だけ休んで1月2日から仕事って大変だねえ」とか、「大晦日まで仕事せなあかんとかあり得ん」とか(知るか。というか、仕事している人間が目の前にいるんですが…無意識ゆえの発言だが、配慮のなさにちょっと引いた。)仕事内容についても何も訊かないまま勝手に「大変だよね」とか「晴ちゃんどんなふうに仕事してるの?(愛想よくできてんの?)」とか言われて言われて、知るかボケと思いながら時間の無駄だと思い聞き流したけど、本当はとても辛かった。辛くて1日の夜、ちょっと眠れなかったくらいに(貴重な睡眠時間を…)。でも同時に、三十路になったからか(笑)、思った。たとえ血がつながっていても、別に理解してほしい人じゃなかったら、理解してもらわなくていいんだって。理解してほしい人に理解してもらえばいい。その”理解してほしい”人に理解してもらえないパターンが一番心が苦しいんだけど。

私は、私なりに自分の仕事を一生懸命やっている。転職したいなと思うこともあるけど、ベストを尽くせるよう毎日必死に汗を掻いているつもりだ。だから、その尊厳(という言い方が適切か分からないが)を失いたくない。勝手に壊されなくない、と思う。

 

話を戻そう。トップと上司と話していたが、二人は私をすごく励ましてくれた。普段腹が立つこともあるけど(笑)、やはりこういう話をちゃんと聞いてもらえることが救いになっていると思う。やはり私の恐怖や苦しみは、同業者の人でしか分からない所があるから。すると上司がこう言った。

「今日部長が、晴のこと褒めてたよ」

「えっ?どういう流れでですか」

「◇◇(私の苗字)はええなって。若手の中でマルチに動けるのは、晴と〇〇(私の同期)と△△(後輩)の3人やな、って」

私の部には、若手(私の年次以下だと)が15人ほどいる。その中で、そう言ってもらえたのはすごくすごく嬉しかった。逆にこの話が無かったら、とても憂鬱な気持ちで帰宅していたかもしれない。見てくれている人はいる、と信じたくなる。

ありがとうございましたと告げて残業するトップと別れ、帰り際上司が言った。「ま、この会社は要領の良い人が上に行くんやけど。まあ私が課長になった位やし、そういう時代が来ているということや」「いやいや(笑)。◆◆さん(上司)はなるべくしてなった人でしょ」「ははは。明日も頑張ろう。あ、パン要る?」なぜかぶどうパンをおごってもらった(笑)。少し明るい気持ちになって、ご褒美としてケーキを買って、帰宅。

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だから、今晩の逃げ恥はほんとーーーに楽しみにしてた!(行きつくまで長かったw)

色々思うことはあるけれど、箇条書きでずらっと書いていくね。

・みくりの妊娠の経緯。「出来たら欲しいね、と話していた」とみくりは語っていたが、ここはもうちょっと掘り下げてほしかったかもなー。いちファンとして、みくりと平匡がなぜ子どもが欲しいと思ったのか?その意思決定のプロセスを知りたい。漫画だったら描いてあるのかな。

・子どもができたから入籍の話。平匡が言い出したことだけど、平匡が認知すればいい話では?…と、この二人なら選択肢に出そうな話に一歩踏み込んでほしかった。

・選択的夫婦別姓…!このタイミングで放り込んでくるか、最高か。私自身、なぜ法制化されないのか腹立たしく思っている一人なのだが、法制定まで待っていたと二人が話しているのにとても納得。ツイッタートレンドに入っているのも時代の流れでとても良かった。ただ、みくりちゃん、あっさり津崎姓にしたね…?もっと葛藤するのかと思っていた。

確か96%ほどが男性の姓になっている日本社会の実情。しかし私には、その4%側になった女友達が一人だけいる。結婚したと聞くと思わず「何(苗字)さんになったの?」と聞いてしまいがちだったのが覆ったのも、報告を受けた時。「後学のために訊いていい?実際、夫が妻の姓になるって珍しいじゃん。どういう流れでそうなったの?」尋ねると、彼女が笑って答えたのを覚えている。「えー?彼側が、全く気にしなかったからやでー。ていうか、『◎◎(彼女の姓)の方が、カッコいいじゃん』って言っててさ(笑)」カッコいいかそうでないか。なるほど、そんな決め方もあるのか…!と衝撃的だった。もちろん双方の同意あってこそのことだが、そうした話し合いすら持たれないパターンもあるというから、理想だな。聴いていた女子4人全員が「いいな~」と口をそろえていたのも覚えている。それくらい大切な事柄なんだよな。あと、姓に関しては本人たちが口にしてからにしようと思ったのもそれからだ。

・何かあった時に家族がいてくれるか問題。今回はゆりちゃんに焦点が当てられていたけど、何だかリアルに感じられて胸が締め付けられた。ゆりちゃんの癌が分かった時、看護師の女友達がいてくれたという描写も良かった。

・妊娠中、二人がすれ違っていく様。きっとこんな感じなのか~、でもみくりと平匡は上手くいっている方なんだろうなと思ったり(笑)。すごく勉強になった。二人とも、言葉にするのがさほど得意でない(特に平匡)からこそのディスコミュニケーションが「分かる~!」となった。最初の平匡の”サポート”発言とかね。あれは地雷踏むな、うん。

・無痛分娩!私も妊娠したことないけど(笑)、気になっていろいろ調べた時期がある。でもメリットデメリットもちろんあるんだよね。みくりの出産時、平匡が「楽できるところは楽していきましょう」と言っていたのがすごく良かった。自然分娩じゃなかった、完全母乳じゃなかったって悩むお母さん、たくさんいるんだってね。一人の小さな命を無事に出産して育ててるだけで神の領域だと思わんかね、諸君。

・家事代行を頼んでいたシーン。原点に戻った感じ。逃げるは恥だが役に立つ!その通り!そういえばみくりちゃん、いつから就職したの?その経緯、前回就職できないと悩んでいた姿から想像できなくて、最初ちょっとついていけなかったかも。これも漫画に描いてあるのかな。

・名づけのシーンでみくり、「生まれた子の性別が途中で変わるかもしれないから」。これ、私の中で今回ナンバーワンのセリフです。あまりにもさらりと言っていたから確認してしまった。「男の子でも女の子でもいい名前にしよう」はよくある。でも、これは…セリフにしてくれたのがとても嬉しい。実は私も、もし自分に子どもができたらって考える時、性別が変わるかもしれないよな~っていう想像をしたことがあって、その先を見据えた名づけ…と妄想したことがある。でも実際に、セリフで当たり前のように言われる日が来ると思わなかった。これが逃げ恥だ。

・生まれたての赤ちゃん可愛い。あれは子役さんなの…?ほわほわしていた。それが気になる。

・コロナ禍が描かれるまでは、正直ちょっと表現が狙っているというか、平匡のコミカルな動きにフィーチャーしすぎちゃう?って突っ込みたいところがあった。だが以降は、ドキュメントを見ているようだった。これ、この正月の(しかも緊急事態宣言がまた発令されるかもしれないこのタイミングの)今見るからこそずしりと来るものがあった。二人の象徴でもあるハグが、できない。”疎開”という言葉を令和で聞くことになるなんて。そんな去年の日々を走馬灯のように思い出すシーン。実際の場面とリンクしていて、途中星野源さんとして「うちで踊ろう」とか流れるんか⁉とちょっとドキドキしたけど(無論そんなシーンは無かった)。

・「生きていれば、また会える。」突き刺さるセリフだった。去年は誰もがこの言葉を思い出したんじゃないだろうか。二人の再会シーンは、しっとりとしていて良かったな。何があっても、生きていられたらそれでいいんだ、って去年何度も思った。それを再度思い知らされた気分だ。

いやー、コロナをドラマの中に入れるのは新しい試みだけど、入れ方を失敗するとやらせ感が出ちゃうし、あるある感を出してしまっても面白くない。でも逃げ恥新春スペシャルは、”ハグができない”を、逃げ恥らしく効果的に活かしていたと感じた。「またハグの日から始めよう」だしね。野木亜紀子さんにあっぱれ。

 

でね。逃げ恥を見て、今日の仕事の話を色々と思い出した訳。

それぞれにしんどいことがあって、何とかつながり合いながら、楽をして(ココ重要、テストに出ますね)、生き抜いていくこと。それを可視化してくれたドラマだったように思う。生き抜けばそれでいいんだ。その中に、仕事も他のこともたくさんあって。正月から、優しい気持ちになれるドラマだった。