強くて、賢い女がすきだ。中でも、多感な思春期に読んだ本や漫画のヒロインたちは、今なお色濃く影響を与えている。
という訳で、勝手に『強い女たちシリーズ』と題し、私がすきだったヒロインたちを熱く語っていきたい。ちなみに選出基準は、「自分もこうありたい」と思った女の子たちであること。
※ちなみにネタばれありありです
栄えある(?)第1回目は、少女漫画の「りぼん」連載 種村有菜先生作の、
さて、日下部まろん(ジャンヌちゃん)に性癖を狂わされた元女児、現アラサー女性は数知れないだろう。かくいう私もその一人だ。
ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりとして、美術品に憑依した悪魔を回収していくまろんちゃんは、周囲も認める才女で完全無欠。性格も良い。非の打ちどころがない高校生だが、強がりでさびしがりな一面を必死に隠していることが徐々に分かっていく。
私が作品を上・中・下のハイライトに大別するならば、「上」のハイライトはメリーゴーラウンドのシーンだ。両親への思いを抱えて、メリーゴーラウンドの前で泣きながらうずくまっているまろんを、本作のヒーロー・名古屋稚空が迎えに行くのだ。このシーン、幼心に大変刺激された。何なら今でもメリーゴーラウンドを見ると心が躍る。
(※ちなみに、コロナ収束後にはぜひここに行きたい。
八ヶ岳 清里高原 萌木の村にある「メリーゴーラウンドカフェ」)
続いて「中」のハイライトは、セリフまでしっかり覚えているのだが、稚空がまろんを抱き上げながら、「まろんは軽いな。羽が生えてるみたいだ」と笑うシーン。このシーンを読みながら身もだえた女子、多くない?
その瞬間、まろんは稚空へのわだかまりを完全に捨て、自らキスをするのです。かわいい(私は保護者か?)。多幸感に満ちたこのシーンが大好き。
そして「下」のハイライトは(まろんの相棒であったフィンが堕天使だと判明するシーンや、最後に悪魔が取り付くのが親友の都ちゃんであるシーンも捨てがたいけれど←この二人に”落ちた”人も多いだろう)、やっぱり最後の決戦の場面だろうか。ジャンヌちゃんが最後に戦うのは、「魔王の手先であった頃の」ジャンヌとなのだが、どう収拾をつけるのかハラハラしながら最終話を読むと、まろんはかつて孤独と戦っていたジャンヌをぎゅっと抱きしめる。そして、勝つ。
このシーンは幼心に衝撃的で、「こんな終わり方があるのか…」と興奮した。物語を貫いた『もうあなたはさびしくない』というメッセージが、自分自身に向けられて帰結するのだ。すごく納得のいくラストだったと思う。
という感じで、神風怪盗ジャンヌの日下部まろんは、少しずつその弱さを見せながら、本当の意味で強くなっていく。その過程がたまらなかった。
その他、好きなシーンはめちゃくちゃあって…超直球男子・名古屋稚空からのラブレターで、隣に住むまろんが孤独にならないよう、毎日「グラタン食べたい。」というメモをポストに入れ続けるシーン。こんなことされたらたまらんでしょ。。。(二次元だから許される)
種村有菜作品のよさは、緻密に書き込まれた絵柄やストーリーはもちろんのこと、動きに緩急があることだと思う。心理描写に動きがあるのだ。この緩急が抜群に上手いのが、他の少女漫画ではなかなか見られないところだと思う。
昔、『強気に本気、無敵に素敵、元気に勇気!』を唱えてくれるロザリオを持っていた(鳴らし過ぎて、家族全員が暗唱できるようになっていた)。今そのロザリオは手元には無いが、作中でまろんが言った「心のロザリオを持つ」、これをまさに実践すべき時なんだろう。ロザリオでもなんでもいいと思うけどね。
NEXT HEROINE's HINT!⇒地球国、明朗快活なお姫様。同じ作者を出すのは…と思ったんだけれど、どうしても書きたかったので。同じく種村有菜作品のヒロイン!