昨年の秋、川上未映子さんの『おめかしの引力』という本を買った。ファッションを中心とした、おめかしに関する川上さんのエッセイだ。表紙を見て「これは買わなきゃ」と思わせる、ジャケ買いに近いものがあった。
まず、この表紙ね。かわいい。よく見ると、脚じゃなくて手なんだよ(装丁は吉田ユニさん)。そして文庫の帯のあおり文が秀逸なの。
『ぶったおれるほど最高で、起きあがれないくらい不安。
夢中にさせる、これなあに。』
これ書いたの、誰なんだろう。編集者さんなんだろうか(詳しい人は教えてほしい)。
このコピーだけで、こみ上げるときめきがあった。
その他、エッセイの各タイトルが「愛のリサイクル」「壊れそうなドレスを着たい」「ときめきパフスリーブ」など、読むだけでうっとりしてしまう。
言葉の持つ力、魔法ってこういうやつだ。日常の喧騒に疲れた時、コーヒー片手に読みたくなる本。似たような趣向の本、あったらぜひ教えてください。